ライブハウスオーナーのブログ

ライブハウスを運営するオーナーのブログです。私と淡路明人くんにも手伝ってもらいながら、運営をしています。

音楽業界で注目のアーティスト「ヤバイTシャツ屋さん」

CDが売れないといわれている音楽業界ですが、実はフェスや音楽イベント自体は以前よりも増えています。音楽そのものを一緒に楽しもう!という流れの中で、自分たちが一番楽しんでるよね?と思うバンドが「ヤバイTシャツ屋さん」です。

アーティスト名がぶっ飛んでいますが、彼らは大阪で結成された3人組のバンドです。ギター・ボーカルのこやまたくや、ベース・ボーカルのしばたありぼぼ、ドラムス・コーラスのもりもりもとは大阪府南部にある大阪芸術大学に在学中出会い、ヤバイTシャツ屋さん(通称ヤバT)を結成しました。

大阪芸術大学といえば庵野秀明監督や木下ほうかさん、古田新太さんなど「個性的ここに極まれり」な卒業生を排出している大学です。京都府出身のこやまたくや、大阪府出身のしばたありぼぼ、静岡県出身のもりもりもとがここに集結し、何度か活動休止を経て2016年にメジャーデビューしました。

インディーズの時代にも4枚(最後はなぜか3rdアルバム)のシングルを制作、ユーチューブに動画をアップして注目を集めていました。大阪の地方FM局で曲がかけられることで人気となり、音楽イベントの常連になっていきます。2015年11月、関西最大級の音楽コンテストである「eo Music Try 2016」でグランプリを獲得したことで、メジャーに躍り出ることになりました。

アーティストという枠をはみ出しまくっているヤバT、魅力はやはり「ぶっ飛び具合」です。楽曲には「あつまれパーティーピーポー」「ネコ飼いたい」など個性的な歌詞のものが多く、紅一点であるしばたありぼぼさんの澄んだ歌声が印象的です。

中でも「喜志駅周辺なんもない」は大阪芸術大学の最寄りである近鉄河内長野線喜志駅のことを歌ったものです。ディスりのなかに愛がある?!大阪芸術大学は、地方から出てきた学生さんが「大阪に対するあこがれ」をもっていたのが見事に裏切られるといわれるロケーションで有名です。芸大生も地元も納得の一曲を等身大に表すヤバT、まさにお見事です。

2017年にブレイクするアーティストランキング1位に選ばれたヤバイTシャツ屋さん、一見の価値があるバンドです。

日本の音楽史におけるアーティストの存在

現在、日本の音楽シーンで活躍するアーティストはたくさんいます。かつては歌謡曲、演歌が一般的でした。戦後、高度経済成長期にUSAやUKの音楽がどんどん日本で知られるようになるにつれて、日本人の間でもこれまでの歌謡曲とは異なり、ポップやロック、メタルといったジャンルが歌われるようになりました。その決定的なきっかけはやはりビートルズの登場と来日ライブでしょう。ギターを習い始める日本人男子が急増し、ビートルズコピーバンドも数多く出てきました。またビートルズから派生した海外のバンド、ミュージシャンの影響を受けた日本人歌手も出てくるようになりました。
一般的なイメージとしては、自分達で作詞、作曲、演奏もするバンドはミュージシャン、作詞作曲はするが演奏はバックバンドが担い、歌い手が中心となるのがアーティストと呼ばれることが多いです。どちらも自分で楽曲を制作し、異性同性、年代にこだわらずファン層が広いことが共通点に挙げられます。反対にアイドルはビジュアルも異なり、異性から支持されることが多いです。最近のアイドルは多才な人も多く、国民的アイドルと呼ばれる人は子供からお年寄りまで幅広い人気を誇る場合もあります。また演奏や楽曲、歌唱力といった実力で勝負するアーティストと、派手な化粧と奇抜な衣装でパフォーマンスするヴィジュアルを売りにするアーティストも多くいます。音楽を聴かせるというより、見た目とパフォーマンスでお客を楽しませるという意味で人気がありますが、その活動の仕方には賛否両論起こることもあります。またCMやドラマなどメディアでテーマソングに起用されて瞬く間に人気者になるなど、チャンスがどこに隠れているかまったく読めないのが音楽業界でもあります。また最近は動画投稿、共有サービスが普及しており、お金をかけないプロモーション活動が盛んであり、プロではない人の音楽や歌が注目されることも多くなりました。アーティストという意味は昔ほど単純ではなくなってきているのです。

 

音楽関係のアーティストの活躍が目立つ

最近は音楽関係のアーティストの活躍が目立つような気がします。ここが経済を引っ張っているような気がするのです。CDなどはなかなか売れないといもいいますが、各地のイベント会場でいろいろな音楽のアーティストのイベントは盛んに開かれるようになっていて、多くのイベントが完売というようなことにもなっているようです。

夏フェスなどといった音楽のイベントはかなりの人気となっていて、毎年多くの人を集めているようですし、停滞する景気の中でかなり活躍していると思われます。ネットなどの普及もこうしたアーティストを後押ししているようで、ネット上ではアーティストの動画はどんどんと再生回数を伸ばしているようです。

こうした状況になっているのは、音楽の業界が完全な成果主義の為、どんどんとレベルが上がっているということもあると考えられます。日夜アーティストたちは音楽づくりに励んでいるわけです。企業の元で安定して働けるわけではありませんから、こうした仕事をしている人は常に上を目指して頑張っています。特に政府などに要望を出したり賃上げを要求したりするような人はいません。全ては自分の成果として、自己責任では芸能活動をしているわけです。ですから、いいものが出てきて、人気となっていると考えられます。

どんなことでもですが、保護をしたり、甘やかしてしまうとその状況に慣れてしまうので、進歩することがなくなってしまいます。この業界はCDが売れないなどの低迷期を自分たちで努力してここまできたことで、強くなったということがいえそうです。自力で問題を解決したことで、さまざまなイベント会場を人でいっぱいに出来るようなくらいのものになったというわけです。

こうした見えない努力がファンを集められるものとなっているということを覚えておく方がいいでしょう。この努力があったことで、多くのファンが楽しめるコンサートであったり、イベントが出来るようになったわけで、何の努力もなしに今に至っているわけではありません。

インディーズのバンドがブレイクする理由とは

数年前まで音楽バンドは、メジャーレーベルと契約してアルバムを発表することが、一つのステータスであり目標でしたが、最近では、インディーズとの境界が曖昧になり、メジャーレーベルに移籍しないまま活動するアーティストも少なくありません。最近ではゴールデンボンバーなどがその代表格となりますが、メジャーレーベルと契約できないのではなく、契約する必要性を感じていないと思われるのです。
その背景には、インターネットが普及し、アルバムの流通形態がCDだけに頼るのではなく、音楽配信が加わったことが大きく影響しています。駆け出しのバンドにとって、自分たちの存在を世間に知ってもらうことが、一番大切なことです。そういった意味では、多少の制約があったとしてもメジャーレーベルの宣伝力は非常に魅力的なものですが、音楽配信が加わったことにより、インディーズでもメジャーと同等の宣伝力を持つことができるようになったのです。
例えば、ゴールデンボンバーなどは、音楽配信からブレイクし、メジャーレーベルから好条件のオファーがありましたが、これらを全て断わって、インディーズで活動を続けています。しかしながら、彼らの活動に全くといっていいほど支障はありません。それどころか、表現することに制限がありませんから、彼ららしい作品を発表し続けています。
もちろん、メジャーレーベルの宣伝力や資金力が、質の高い音楽を広く人々に伝えることができる事実に変わりありません。事実、メジャーレーベルが、インディーズと業務提携を行い、流通販路を提供する例も少なくありません。相互に協力し合うことで、より良いバンドをブレイクさせることができるのです。
今後もこういった、業務提携は頻繁に行われことが予想されますが、バンドとしては自由な表現が維持できますし、リスナーとしては、素敵なバンドを知る機会が増えることになりますので、非常に良い傾向であることに間違いありません。

バンドがインディーズでCDを出すメリット

日本レコード協会に所属しているレコード会社をメジャーレーベルと呼びますが、この日本レコード協会に属していないレコード会社に所属しているバンド・アーティストをひっくるめて「インディーズ」としています。ここで言うメジャーレーベルとは、ソニーやワーナー、東芝EMI、エイベックスやポニーキャニオンキングレコードを指します。
よく、メジャーレーベルに所属しているからプロ、インディーズレーベルのバンドはアマチュアという言説を目にしますが、これは古くからの慣習であり、明確な線引きとはなりません。プロでもテクニック的に稚拙な場合もあれば、アマチュアでも驚くほどの技術と音楽性を持つアーティストも少なくないです。しかし、かつてメジャーレーベルに所属していたバンドが敢えてインディーズレーベルからCDをリリースしたり、インディーズアーティストがメジャーからの勧誘を蹴ったり(後ろ向きではなく前向きな戦略的に)するという事例は珍しくありません。インターネットにより配信の仕方が多様化した現在、インディーズにおけるメリットにはどういったものがあるでしょうか。
レコード店の流通、販促に至ってはメジャーの方が有利と言わざるを得ません。メジャーレーベルの商品は、そもそもが会社の力で、資金をかけて大きく宣伝されていること、そしてレコード店で売れなかったときに返品が可能という点も大きく作用しています。基本的には大規模でないレーベルの場合、レコード店に買い取ってもらい返品不可の形をとっているため、店舗も避けがちです。
しかし、メジャーにないメリットも大いにあります。音楽性・バンドの個性を重視してもらえるということです。多くのメジャーアーティストにとって、レーベルの意向上「売れ線」を嫌でも意識させられ、意図しない音楽性や方向性を余儀なくされることも往々にしてあります。個性の強いバンド・アーティストがじわじわと売り上げを伸ばし、スターダムにというケースも非常に多いのです。アーティストの意思を尊重しつつ、個々のペースで販路を確保していけるというメリットは非常に大きなものとなります。

インディーズのバンドはロックだけじゃない

インディーズのバンドと言うと、プロを目指す若者のロックンロールをイメージする方も多いのではないでしょうか?しかし、音楽の幅はとても広いので、ロックとは限らないのです。多くの人が聴く音楽と言うと、ロックやポップミュージック、またはクラシックが多いと思います。日本人なのに、なぜそこに邦楽が入らないのか、少し残念な気持ちになります。邦楽と言っても、日本人歌手が歌っていると言う意味ではありません。日本の伝統楽器で演奏されている音楽と言う意味です。邦楽にもバンドがあるの?と不思議に思われた方もいると思いますが、バンドとは名乗らなくても、グループで活動している人達も多くいるのです。しかも、いくら技術的に優れていたとしても、多く場合はインディーズになってしまっています。邦楽自体の人気が低いので、当然と言えばそうなのですが、これはとっても残念です。現代では、最新の技術を使えば、実際には琴や三味線を演奏できなくても、それに似た音を作り出す事ができるので、本当に和楽器で演奏された音楽を聴いた事がない人も増えてきているのかもしれません。日本の風土や習慣に沿って成長した邦楽には、日本人の遺伝子レベルで共感できるような素晴らしさがあるのです。海外から評価を受けているのに、日本ではあまり評価されていない邦楽の素晴らしさに、もっと多くの日本人が気づいて欲しいと思っています。ちょっと硬そう、なんだか近づきがたい雰囲気などなど、一人歩きしてしまった勝手なイメージが邪魔してしまって、邦楽に触れた経験がない方にこそ、新しい感覚で生み出された邦楽に触れて欲しいと思うのです。まずは、聴きなれた曲を、邦楽にアレンジした物なら、邦楽の柔軟さや可能性を感じてもらえるのではないかと思います。琴や三味線なんて、ギターと同じ弦楽器だから、アコースティックギターと同じくらい、みんなから親しまれる楽器になっても良いと思うんですけどね。

 

良質なインディーズ・バンドがブレイクしやすい要因とは

マチュアのバンドが、世に出る手段として、最初のステップとして考えるのがインディーズ・レーベルと契約して、音源をリリースすることです。ライブハウスで演奏するにしても、音源があればリピーターを獲得することができますし、そのバンドが活動している地域以外の音楽ファンに音源を届けることも可能です。評判が良ければ、日本国中の広い地域でライブを行うことも可能ですし、国内だけでなく、海外から声がかかることもあります。
実際に、インディーズからメジャーに昇りつめたアーティストも少なくありません。X JAPANなどはその代表格ですし、GLAYやザ・イエロー・モンキー、ゴールデンボンバーなども同様です。また、これらのバンドと比較すると、国内での知名度は低いものの、少年ナイフは毎年のように海外にツアーに出かけています。
また、最近では、録音機材も進化しており、パソコンと音源を編集するソフトさえあれば、誰でも簡単にレコーディングを行い、高音質な音源を製作できますから、簡単にアルバムを発表することができるようになりました。また、音楽配信が行われるようになったことで、CDという形態にこだわる人が少なくなりましたから、誰もが平等に楽曲を披露する場所ができたということでもあるのです。つまり、これからは、メジャー・レーベルに所属するアーティストばかりが注目されるのではなく、良い音楽を提供するアーティストこそが注目される時代になってくるのです。
特に、最近はインターネットの普及のおかげで、日本国中はもとより、海外にも簡単に情報が流れる時代ですから、ちょっとしたきっかけで、世界でブレイクする可能性も秘めているのです。チャンスは平等にやってくるのです。また、誰も知らない上質なバンドを見つけ、自分の手で世に知らせたいという人も少なくありませんから、インデーズ・バンドにとっては、ブレイクするチャンスが広がったとも言えるのです。